個人経営のマリンスポーツ専門販売店の小さな店舗が中古物件で買主を募集していた。ちょうど輸入雑貨のお店を開きたいと夢を持っていた同僚、良い物件と思って手に入れた。しかし、外壁の雰囲気で来店客の勘違いが続出。やむなく外壁の色を変えたら来店客の勘違いもなくなって客入りまで増えた。

雑貨を販売する勉強をしていて雑貨屋さんを開くために必要な資格も取得している。
あとは雑貨屋を開く物件を探すことができたら会社は退職する。
と常日頃から言っていた仕事場の同僚である友人。
休日は雑貨屋を開くために自宅から近い地域の店舗の空き売り物件を探していました。
長年会社勤務をしながら開店準備のための貯金してきたとは言っても予算は限られているということも有り、購入予定の物件の条件はできるだけ予算を抑えてと考えていたんです。
だからもともと個人経営をしていたような店舗の居ぬき物件のような坪数も小さな中古店舗が物件購入条件。
しかし近所や自宅近くの地域を周ってみても、中古の売り物件は店舗では限られていて、もともと飲食店というような雑貨店で使用するにはあまり適さないような物件ばかり。
雑貨店を開くために最もベストと思える中古物件は見つからず、友人は自宅や近所ではあきらめて、今度は自宅よりもう少し離れ、人通りが多く店舗が連なっている場所をネットの地図や自分でも電車で1時間かけて探すことに。
地図をピンポイントで検索をしながら空き店舗をくまなく探していると気になった地元からそれほど距離のない地域が有りました。
そこは旅行者や観光客などが足繁く訪れる海岸沿いの地域。
もともと友人が住む地元地域は人気の海岸が自宅から電車で1時間ほどで行ける距離にあり、そのため、海岸からは歩いたら結構な距離が離れていてもマリンスポーツのお店が点在しています。
そこで、海岸めあての観光客が多い地域ならマリンスポーツ用の専門店の中古空き物件があるかもしれないと閃いた友人。
マリンスポーツのお店なら居ぬき中古物件でも輸入雑貨店を開いても違和感ないはず。
とそこで海岸から少し離れていても人通りが多く店舗が連なる地域にいそいそと赴き、売り物件を歩きながら探したら、友人の直感は大当たり。まさに友人が歩いていた歩道の端に理想の中古売り物件を発見。
外観は外壁が薄い青色で屋根に魚や人間がシュノーケルをしているような絵がペイントされているような海をイメージした外壁と屋根でまさにマリンスポーツの元専門店。
友人はマリンスポーツのイメージそのままの店の外観だからこそ海沿いの輸入雑貨店に相応しいと、売り物件の看板に書かれていた不動産に即効電話連絡。
すると、元は個人経営のお店でオーナーが高齢のため店を閉めて早く売却したかったそうでかなりの格安で手に入れられることがわかりました。
交渉の末、友人は予算内で念願だった輸入雑貨店をスタートさせることができました。そしてオープン当日。人通りの多い道沿いなのでちらほらとお客さんは入ってきてくれます。
しかし棚に綺麗に並べて置かれた雑貨をとりあえず手に取って見たりするのですが、あまり雑貨を購入してくるお客様はいませんでした。
まあ初日はこんなものかと思った友人でしたが、オープンから2週間程度たっても客の入りは一日で数人ほどというぐらい。焦った友人は、店の前に置いていた手書き看板に大きく輸入雑貨店と分かるようにマジックで太字に書き替えていたところ、背後からまさに店舗に入ろうとしていたお客さんらしき人に突然「お店に水中メガネって有りますか」と言われてびっくりして振り向いて「輸入雑貨店なので置いてありません」と応えました。
するとその言葉を聞いた、お客さんらしき人は諦めた様な表情で店舗に入らず立ち去って行ったんだそう。
そこで友人は今まで客の入りが悪かったことに気づいてしまったんです。
外壁や屋根がマリンスポーツのイメージそのものまま雑貨店を開いたままだったのでお客さんはほぼマリンスポーツ用品目当ての客ばかりだったので入りが悪かったこと。
マリンスポーツ専門店のままのイメージの外壁の屋根のまま店舗を開いたので客様にマリンスポーツ店と勘違いさせてしまったために、輸入雑貨目当て客を見込めなくなっていたんです。
それに気がついた友人は屋根と外壁をリフォーム工事を決行。
屋根はマリンスポーツのイラストから輸入雑貨らしく飛行機から西洋や東洋の置物などの小物が飛び出している柄のイラストにペイント。
外壁はアイボリーカラーに塗ってブラウンの文字で雑貨店専門店と名入れをしたんです。
それから間もなく雑貨店目当ての客の入りが増え始めて、マリンスポーツ店と勘違いする客もなくなったといっていました。