外壁は肌と同じ

私が暮らしているのは同時期に建てられた一軒家が数多く並ぶ住宅街、そのため近隣には同年代の友達が沢山住んでいる。
暮らすようになり10年ほどが経つと、家をリフォームしたり増築する者が増え始めた。
隣近所が外壁塗装をしているのに自分の家だけしないのは格好悪い、無理して外壁塗装をしたのは今から10年前のこと。
同時期に外壁塗装をしたのに、10年経つと外壁のコンディションは家によってマチマチ、最もボロボロなのは私の家、ボロボロな理由は分かっている塗装費用をケチったからだ。

10年前、外壁塗装をした時は他の家と同様、私の家の外壁もキレイだった、適切な表現ではないかもしれないが外壁が瑞々しく思えた。
しかし、10年経つと瑞々しさは微塵もない、分かりや易く表現すれば婆ちゃんの手のようにカサカサしている。
同時期に外壁塗装をしたAさん宅は今も瑞々しく見える、Aさん宅のお婆さんは私の婆ちゃんと違い若々しい。
家も人間も日頃のメンテナンスが大事なのだろうが、Aさん宅は私の家と同じで塗装をしただけで後はノーメンテ、同じノーメンテナンスの外壁なのに私の家はボロボロでAさん宅は今もキレイ、この違いは塗料。
私の親はモノを選ぶ際は価格を重視、専門家から「長期的に見れば、コチラのほうが経済的ですよ」とアドバイスされても、先のことを考えられる余裕は私の家にはない。

私の家の外壁は触ると分かるがカサカサしている、風呂上がりの婆ちゃんも肌はカサカサしている。
カサカサの肌だと痒くて何度も掻いてしまうため、風呂上がりの婆ちゃんは体に保水液を塗る、しかし、1度塗っただけではカサカサは解消されず、婆ちゃんは何度も保水液を塗る、何度も塗ることで肌に潤いが戻る。
理屈はこれと同じ、カサカサになってしまった外壁はヤスリで平らに直す、そのあとはフィラーで下塗り、これが不十分だと化粧ノリが悪くなるように塗料の乗りが悪くなるらしい。

化粧品が色々あるように塗料もピンキリ、高価なモノを使えば見栄えは良く長持ちもする、安価なモノだと外壁を傷めることになりかねない。
高価な塗料が一概に良いのではなく、外壁の種類、外壁のコンディションに応じて変わる。
Aさん宅の塗料は雨が降ると外壁がキレイになタイプ、専門の業者さんが見ればどんな塗装を使っているかは分かるらしい。
私の家の外壁を見た業者さんは、私の家にはお金がないことを察知したのか高い塗料を勧めてこなかったが、長持ちする塗料で塗ってもらった。
家の中に居ては外壁塗料をしたことに気付かないが、御近所さんから「キレイになったわね」と言われると、外壁がボロだったことに気付いていたんだと思い恥ずかしい反面、嬉しかった。